「王妃様のご懐妊が正式に発表されたそうですわ」 「まぁ、それはめでたい」 「国中がお祭り騒ぎになりますわね」 「もちろんそうでしょうね、なんといっても念願のお世継ぎですもの」 「王妃様も大層お幸せそうですわ」 「あの方はどこか儚げな雰囲気をお持ちでしたけれど、今は本当に輝いていらっしゃいませんこと」 「血を分けたお子様ですもの」 「思えば、王妃様の肉親と呼べる方はもういらっしゃいませんものね…」 「早くお生まれにならないかしら」 「ふふ、きっと王妃様がそれを一番願ってらっしゃるわ」 ■■■■ 「おい、まだか」 「貴殿が焦っても、生むのは王妃様だぞ」 「分かっておる。ただ、早く男児かどうか知りたいではないか」 「まぁそれは重要ですが…」 「女児であると色々と弊害があるからの」 「そういえば、王は?」 「お忙しい方ゆえ、執務室だそうだ。そわそわしておったと、侍従が」 「ははは、それは見物ですね」 「…ん?」 「生まれたか!?」 「―――お生まれになりました! 王子です!!」 ■■■■ 「おい、お世継ぎはお生まれになったんだろ」 「ええ、王子だとか」 「でもお披露目とか、そんなのねぇな」 「まだ生まれたばかりだからな、そんなすぐには出せんのだろ」 「それもありますが、暗い噂もあるようですよ」 「なんだってんだ?」 「産後の肥立ちが悪く、王妃様の体調が優れないのだとか」 「おいおい、そりゃマジか」 「最近では王が遠方に視察に出ることもないようですし。王が王妃につきっきりという噂ですよ」 「自分の子供が生まれたばっかだ、家あけたくねぇんじゃねぇの」 「そうだといいのですが、ね」 |